第四章 世界の真実

 

完全に囲まれてしまった。

 

少し前までは、とても順調であった。天の橋の試練の合格のあかしであるネックレスを、僕は村長からもらった。それを首に下げ、ここ西の洞窟へと向かった。少し門番ともめたものの、その後はスムーズにこの広い部屋へ案内された。洞窟のかなり奥に位置している部屋で、真ん中に小さな石造があった。こんな西の果ての洞窟にもかかわらず、多く人がいて、しっかりと管理されていることに驚いた。しかし、急に態度を変えて、スムーズに案内されたのも気になる。そして、石造を調べている間にこれだ。大部屋の八方から、長老のような人々に囲まれた。彼らはゆっくりと歩み寄ってくる。近づいて見てみると格好は長老のような服で、杖を持っているが、まだ子供の様だ。声も甲高い。彼ら8人は、ユブレインと名乗ったが、僕は「子供のような長老」と覚えることにした。

 

彼らは、僕の望みをきいた。それは、来訪の理由を尋ねるものだったようだが、僕はこう答えた。「平和な世界が作りたい。そのためには、この世界の真実を知る必要がある。君たちユレイラントは何者かおしえてくれ。」

その間、言葉で言い表せないほど重い空気を感じていた。数秒の沈黙ののち、彼らは僕の質問に答えてくれた。

 

彼らのいうところによると、僕たち人間は、「魔道でできた作り物」らしい。本物の人間は、ユレイラントだけということだ。俄かには信じられない真実であったが、彼らは過程を説明していった。

 

昔、大きな戦争があった。多くの人々が死に、残った少数の人類は、完璧な平和を求めた。そこで、魔道を用いて、平和な世界の実験をすることになった。本物の人間そっくりの魔道の人形で。その計画の目標こそが、「ラジアントワールディリア(大きな理想郷)」だった。しかし、それは幾度となく失敗した。そして、実験を繰り返すうちに、いつの間にか、魔道の人形を本物の人間として見ていくようになった。多くの人が借り物の世界であることに、違和感を感じなくなった。識者の間でも、いざという時、魔道人形であればコントロールが容易であると、認めるものが増えた。今では、これこそが長年もとめてきた「ラジアントワールディリア」と主張する者さえいるようだ。実験の全権はある国の一族が握っている。そこで、彼らは、その一族の「長」に、方針を再確認したところ、魔道でできた人間と共存する方針をうちだしたのだ。

 

子供のような長老をはじめ、多くのユレイラント達は恐れをなした。本物と偽物の区別がつかなくなることに。少なくとも彼らは、本物であるがゆえの恩恵をこれまでたくさん受けてきている。

反対の機運は高まり、魔道人形と共存する方針の人々を一掃することとなった。この計画が今回の戦争である。戦争により、魔道人形を消して、再実験をする通常の工程は過去何百年単位で行われてきたが、今回はその「長」を混乱の中で、殺すことが目的となった。

 

僕は話をさえぎって質問した。

 

「魔道で生まれた人間はみんな、偽物だって言うのかい? 僕がこうやって考えて、思って、行動することも、誰かのために戦うことも、死んだ……死んだ王女のことを思って泣くことも、偽物だって言うのかい? あんまりじゃないか。」

 

 

僕は余計なことを言ったらしい。彼らは言った、

「君はユレイラントだよ。」

「正確にはハーフだけどね。」

 

つまり行方不明の父親がユレイラントなのかと考えをめぐらせたところで彼らは追い打ちをかけたようにさらに真実を話す。

 

「君の父親がその一族の「長」なんだよ。」

 

そう、長年行方不明とされていた僕の父は、ラジアントワールディリアの全権責任者であり、魔道の人間と共存していくことを推奨する人だった。そして、何より、僕の身近にいた「リート王」だった。王はあの国から平和な世界を作り上げる最中だったのだ。そして、今回の件で殺された。

 

僕はハーフだから、全権は受け継げないはず。現に魔道も使えない。となれば、第一継承者は王女だ。しかし、彼女も殺されている。彼らユレイラントは、今後どうするつもりなんだ。

 

「何度でも実験を繰り返さなければならない、本物の戦争の悲劇をくりかえさないために」

 

岩の上から女の声が聞こえた。

あの白いローブは、あの時の使者。彼女も黒幕の一人か。精鋭班の仇もとらねばならない。

僕はアシスタンスという重量のある装備を外し、剣を抜いていっきに彼女につっこんだ。


彼女も羽織っていた白いローブを脱ぐ。

僕は身体中が凍りついた。一瞬で凍りついた。
まどうじゃない。だが、完全に動かなかった。

ローブを脱いだ女に見覚えがありすぎた。

 

「ユメ・・・!」

 

 

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