第一章リート王国

 

 

 

時は、709年。ユメと僕が住む国は「リート王国」。ユメは王女、僕は王国騎士の見習い。僕たちは小さいころからとても仲が良かった。
ユメのお父さん、リート王は非常に優秀な王で、国は栄えてた。王女であるユメも、16歳にして国内の統治から外交に至るまで、その多くを任されていて忙しそうだった。ユメの非凡な発想と独自の手法は「もはや神業」と、街の人々はみんな噂していた。
とっても平和だった。とっても幸せだった。



そして、713年。僕は青年となり、晴れて王国騎士団に所属する。戦火は大陸中に広まっていた。
中部西側、戦乱の終わりを訴え決起したユレイラント達は不思議な魔道術を用いて戦争を繰り返す。次々と周辺国を統合し、わずか一年でユレイラント連合帝国を結成。大陸の領土のおよそ3分の2を支配した。
ユレイラントとはなんであるのか、魔道術がどのようなものであるのかは噂のみ。分かっているのは、紀元前に西部の洞窟で暮らしていた種族であること。伝記によれば、我々とは同じ生き物であるという。
「我々と同じ生き物」
初めて王宮図書館でその文字を見たとき、必要以上に引っ掛かった。それは人間ではないということが前提だったのだろうか。あるいは、自分たちと同質であるか異質であるかを確認する必要性があったのだろうか。少なくとも700年代に入るまでは、歴史の表に出てくるような過激な人々ではなかったようだ。

 

 

 


現在、リート王国は一貫して平和路線を訴えてる。戦わずに領土と国民を守る方針だが、そううまくいくとはおもえない。
毎月訪れていたユレイラントの使者は来なくなった。白いローブをまっとった小柄の女性。彼女の警護は僕に任されていた。
「あなたは気づかなければならない、空からあなたを見ているのは、神様ではないと。」
彼女はほとんどしゃべらなかったが、小川での休憩中に僕の耳元でそうつぶやいた。その声はどこか懐かしく感じる。情がうつってしまったのかもしれない。
そして僕は王宮に呼ばれる。リート王直々に呼ばれたのだ。緊張しないはずがない。リート王には常に優しくしてもらっていた。しかし、王国騎士団入団以後は公の場で会うのは初めてだ。
謁見の間に足を運ぶと、王はイーラントを着ていた。王として最も厳格な規定で定められた正装である。

 


「王国騎士団 一番隊 アメルト リンです。」
「よくきたなリン。大事な連絡がある。王女が病で死んだ。お前と国民には隠していた。本人の意思だ、すまない。」

 


王は淡々と言った。頭が真っ白になった。目の前が真っ黒になった。何も見えなかった。ずいぶんと取り乱してリート王に質問する僕は、すぐさま取り押さえらた。といっても揉み合いになる間もなく僕は気絶した。その後のことはあまり覚えていない。
僕の最初で最後の王女の警備は、慰霊式になってしまった。街を運ばれる王女。遠目からしかみれなかった。それでも、想像よりも安らかな表情で眠る彼女は、綺麗だった。

 
 
 

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